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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第12章 兎と蛇


……はて。

そういえば、うさとフリが見当たらない。


「蛇塚さん、うさとフリ知らない?」

「あぁ!お二人でしたら先に参道へ向かわれてますわ。フリさんが食べ歩きしたいと仰ってて。」


あ、そういうことか。納得。
迷子防止にうさがついて行ってあげたのね。
それなら後で合流できそう。


参道に近づくにつれ、どんどん人が減っていく。
お寺の方はかなり人が多かったけど、
こっちは比較的空いてるみたい。

すると、蛇塚さんがあるお店の前でピタリと足を止めた。


「ユイさん黒哉様!少しこちらのお店に立ち寄ってもよろしくて?」


昔ながらの一軒家に、
和雑貨や和小物がところ狭しと並べられている
京都らしいお店。

職場には向かないけど、
自分用のお土産にすごくぴったりかも。


「うん、いいよ。私も見てみたい。」
「僕も構いませんよ。」


私と白馬くんが二人して賛同する。

ちなみに白馬くんは王子モードです。
うさがいないから、
素を出すと普通に蛇塚さんにバレちゃうの。


三人でお店に入り、和風な店内を見て回る。

扇子にトンボ玉にがま口。
おしゃれなものが沢山。


「蛇塚さんなにか買うの?」


目をキラキラさせながら商品を手に取る彼女。
けっこう悩んでるっぽい。


「ええ!ですけど素敵なものばかりで困りますわ……。ここでお金を沢山使うわけにも参りませんし……。」


幸せそうに頭を悩ます蛇塚さんを見て、
白馬くんが一人店内の奥に向かう。

どうしたんだろう。

近くのテーブルに置かれた何かを手に取り、
彼がこちらに戻ってきた。


「蛇塚さん、こういうのは如何です?」


そう言いながら白馬くんが彼女に差し出したのは、
花柄の和風な可愛らしいペンダント。

……と、もう一つ。

男性向けなのかな。
紺色のシックなペンダントで、
細かな装飾が施されてる。


「まぁ!黒哉様さすがですわ、どちらもとても素敵!こちらは男性用かしら?」

「ええ。それぞれの裏側に、小さく同じ彫刻がされてるんです。ほら。」


白馬くんが両方のペンダントを裏返すと、
そこには月をモチーフにされたおしゃれな刻印が。

うん、すごく素敵だ。
蛇塚さんも感銘を受けてるみたい。


その様子に、白馬くんがニッコリと笑顔を見せた。

……なにか裏がありそうなイイ笑顔。

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