この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第12章 兎と蛇



────「すごい、広くて綺麗……!」


無事旅館に到着。

通された部屋の襖を開ければ、
そこには豪華で広々とした和の空間が広がっていた。

ちなみに部屋割は女性陣と男性陣。
それぞれ向かい合わせのお部屋に泊まる。

なんだか修学旅行みたいだ。


「まぁ!窓の景色まで素敵ですわ!ほらユイさん、ご覧になって!」


蛇塚さんがはしゃぎながら部屋に足を踏み入れる。

取り付けられた大きな窓からは、
深い緑の木々と情緒溢れる街並みが見て取れた。


「ホントだ、素敵だね。」


そう言いながら、私も部屋に入ろうとしたとき。



「……おい山下、ちょっとだけいいか。」



誰かが私に声をかけた。

振り返ると、
そこには神妙な面持ちで私を見下ろすうさが。


「……?、うんわかった。蛇塚さん、ごめんね。私ちょっと用事あるから、先にくつろいでて。」


私は彼の言葉にコクリと顔を頷かせて、
部屋にいる蛇塚さんに謝りをいれる。

蛇塚さんは私を見て、
「了解しましたわ」と笑顔で答えてくれた。

私はそっと静かに襖を閉め、
後ろにいるうさの方を振り返る。


「うさ、どうしたの?」

「悪ぃな。ここじゃ少しあれだから、別の場所に移ってもいいか。アイツらには聞かれたくねぇことなんだ。」


うさが、低く小さめの声で私に話す。

たぶん普通の声量だと
部屋にいる皆に聞こえてしまう可能性があるからだ。


「わかった、別のところに行こっか。」


私がそう答えるなり、
うさは身体の向きを変えて廊下を歩き出した。
足早な彼に置いていかれないよう、早足でついていく。

いくつもの部屋を通り過ぎ、
廊下の角を曲がる。

そこで、うさの足が止まった。

うさがくるりと踵を返し、
私の方を向いて気まずそうに視線を下に落とす。


「……その、アンタ蛇と仲が良いみてぇだからよ。相談っつーか、なんつーか。」
「うん。」


とても言いづらそう。

うさが首に手を当てて、
視線を下に落としたまま、右往左往に泳がす。


そして、彼は意を決したように少しだけ目を細め、
静かな声で私に告げた。






「────前に話した幼馴染。あれ、蛇のことなんだよ。」






/269ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ