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哀色夜伽草紙
第10章 外へ出た籠の鳥
この人を拒むことはもう出来なかった。いや、もう拒否したくなかった。だから

「家においで」

水族館からの帰りにそう誘われて、コクリと頷いた。

帰りの車では少し無言も多かったけれど、二人に流れる空気は以前ほどギクシャクしなくなった。

それは私が羽田くんに心を許し始めたからだろう。

駐車場からは手に引かれ、森のような公園の横に建てられた豪奢な低層マンションに連れていかれる。

エントランスを抜け、エレベーターで昇る。
その豪華な作りに圧倒されながら進んでいくと、5階の最上階に着く。

「入って」

玄関で背中を押されて入ると、中は白く広い玄関ホール。
そこから廊下が伸びていて、足元は自動で淡い光が付いていく。

それを進むと広々としたリビングダイニングがあり、大きな窓からは公園の木々がよく見えた。
およそ私より年若いサラリーマンの家ではない。

「すごいとこに住んでるんだね。ナニモノ?羽田くんって」

「そう?あー、でもこれは親の持ち物だから。オレは単なる貴女の後輩だよ」

スーツのジャケットを脱ぎながら羽田くんは淡々と答えた。

ネクタイを緩めてシャツのボタンを1つ外すその動作だけで、強引なキスが点火した欲望が顔を覗かせ、身体がきゅっと絞られるように疼く。

(綺麗な男……)

可愛らしいとも見えるのにしっかりと男だった。

いつも時間をかけて壱くんに愛されてきた私の身体だけれど、今ははしたなくも、疼きが止まらない。

「そんなに欲しそうな顔しないでよ、ヤバイから。まずはシャワー浴びといで、疲れたでしょ?着替えはそこに全部揃えてあるから」

行くと確かに脱衣場に女性モノの新品のルームウエア、淡い水色のモコモコした素材のパーカーとパンツの上下セットが置いてあった。
サイズもぴったりなそれに袖を通してリビングに戻ると、羽田くんがコトリと優しい音を立ててティーカップをローテーブルに置いていく。
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