パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第5章 掲示板

　　　　　１

　目を覚ますと、外は霧雨が降っていた。どうりでよく眠れたわけだ。静かだし明るくない。どうせ夕方まですることもないから構わないのだが、時計はもう正午まで三十分を切っていた。
　全身に気だるさがまとわりつく。ベッドの上で身体を捻りスマホをとると充電のケーブルを抜き取った。画面を開くとお知らせで一杯だ。ひとつひとつ見ては消す。大体毎日同じ内容。ひとつを飛ばして結局全部消してしまった。飛ばしたひとつをタップする。ショッピングサイトの閲覧履歴が開いた。仕事の時間が普通と違い夜遅いので、街でショッピングするよりも必要なものはネットで済ませることが多かった。
　カラフルな洋服の画像をスクロールさせながら、ふと、夕べの事を思い返していた。電車の中であんなにも激しく……。ベッドに横たわる恵子の身体の芯が一瞬火照った。
　最後の電車での出来事をまだ身体は覚えている。夕べは疲れて帰って、シャワーも浴びずに殆どそのまま横になってしまった。
　たまに聞く電車でちょっと痴漢されたっていう話とはかなり違うように思えた。体験……。何となくブラウザにそう打ち込んでみる。色んな体験イベントが並んだ。動物園での授乳体験･･･なんともほのぼのとしていて心の中が笑顔になる。もう一度、キーワードの枠に『体験 痴漢』と入力して検索してみた。一瞬にして雰囲気が変わった。女性が痴漢体験を書いたものらしいサイトが次々と現れる。素早く目で追いながらスクロールしていく。しばらく進むと『男性版』という文字が飛び込んで来た。どういう事なのだろう？単純に気になりタップしてみた。
　見るとスレッド主の男性が痴漢をしました、という経験を自慢げに披露するという手の掲示板……そんなところだろう。ホントかウソかも分からない。見るでもなくスクロールする。
　そしてそこに、まさかと思う書き込みを見つけた。そこにはこうあった。

　『都内某○○線にて　 投稿者：よーよ
　投稿日：2019/○/○(Sun) 04:22 No.123221
先ほど初めてもろＯＫ娘？を見ましたのでご報告します。
車両などは省きますが、ホームに上がって何気なく獲物を探していると胸元がぱっくりと空いたサマーセーターに白いブラウスを着た女性が不敵な笑みを浮かべて通りすぎて行きました。