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幼馴染以上恋人未満
第6章 思い出したくない過去
そんな俺を見て、佑夜は一瞬凄く悲しい顔をして小さな声で何かつぶやいた。

そんな紘杜を見るのは初めてで、
思わず問いかける。

「紘チャン・・・?」

俺の声ではっとしたように、
紘杜は慌てていつもの表情を作る。
そして上ずる声で叫ぶ。

「弥生なら、旧校舎の〇〇教室だよ!早くいけよ!迎えに行ってやれ!」

俺は迷った。
紘杜のいつもの表情が崩れ、
泣きそうな顔をしていたから。


「紘チャンも、一緒に来て?」


気づいたらそう、言っていた。
紘杜は一瞬驚いたような顔をして、そのあと自虐的に笑った。

「行けるわけねーだろ。
俺は、弥生をひどい目に合わせた!所詮、ただのワルモノだ。」

俺はその言葉にショックを受けた。と、同時に怒りもこみ上げてきた。

「紘チャン、俺が、弥生を連れて帰ってくるまで、そこにいて!
絶対だよ!?」

そう言い残して、俺は弥生の元へと走った。

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