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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第12章 聖と巽

「…………」

また知らない天井、これで三回目だよ私。
今日は場所だけは分かる、聖さんの部屋の中。昨日気を失うように倒れてしまったせい。

夜中に一度目は覚めたの。
その時、私は秘裂から流れるものに驚いた。
だってそれは、私の蜜ではなく聖さんの精液、絶頂の時に熱さを感じたのは、聖さんの精液が私の中で爆ぜた感覚だったのよ。

流石に戸惑ったよ……中出しなんて。もし子供が出来たら、そう思うと血の気が引く気分だったとは思う。
でも聖さんは、『もしものことがあれば、僕が責任を取る。これだけは誰にも邪魔はさせない』と、言っていたけれど、私は聖さんを選ぶなんて一言も言ってない。

選べないの社長息子だなんて、現実的に考えれば、普通の私には縁遠い存在には変わらない。
幾ら好意をよせられても、過去に私と会っていても、今の聖さんと巽さんは、伊礼物産時期社長候補。
……私なんかが立ち入れる隙なんてないよ。

「……おはよう奏多」
「え? 聖さん!?
仕事なのでは?」
「今日は外回りという理由で、休みを取っているよ。折角奏多が僕の家に居るのに、仕事をする気にはならないね」
「それで……いいの?」
「社長の許可は取っているよ。あれで息子には甘い社長だから、こういうことには慣用的」

敏腕社長の裏の顔。
少しだけど、聞かなければよかったと思うのは私だけ? まさか息子に甘いなんて、誰も思わないから。

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