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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第5章 もう一人の社長息子

ぐいっと、更に抱き寄せられて気づいた。
巽さんのが硬く勃起して、私のお腹の辺りに当たる感覚。
男性も、これだけで興奮するんだね、初めて知った。

「分かっただろう、俺も奏多に興奮しているんだよ。
だから……これ以上求めていいのか?」
「……あ」
「最後の選択肢だ、頷けば俺は止められん。
なるべく優しくはするつもりだが、途中で嫌と言われても止めることなんて出来ない。
よく考えて返事をしろ奏多」
「…………」

ここまで来て、この選択肢を私にくれる。
口は悪いし、見た目は少し怖そうなのに、巽さんの心の中は優しい。
短大時代の彼氏に、こんな人を気づかう優しさなんて無かった。
求められたのも一方的で、頷かなかったら違う彼女を作っても、なにも思わない。そんな自分だけの人だったんだね。

「……い、痛くしないで。
私からはそれだけ」
「それは奏多による。
もし前の男が、処女膜を突き破っていなければ、極力痛まないように努力はしても、全く痛みがないと保証は出来ん」
「それは私にも分かりません。でもあの時、血が流れたとは思います。痛くてうろ覚えですが」
「だったら、俺が溶かしてやるよ。二度目でも痛いと聞くからな。散々溶かして痛まないようにしてやる。……いいな?」
「…………」

一つ頷けば、巽さんがまたキスして来る。
でも違うのは、手がスッと脇腹から胸へと上がり、服越しに触れられたこと。

「……んん!」
「いいな、まだ余韻が残っている。快感に素直になれよ、そうすれば痛みより快感が強くなるだろう?」

巽さんの言う通り、私はこの人に散々溶かされる。
頑なな体も……心も。

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