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第2章 壁越しに聞こえる妻の嬌声

「じゃあな、颯太。いろいろありがとう。琴美と幸せにな」

兄は僕と握手すると、出国ロビーへと消えていった。

「行っちゃたね」

僕の隣で琴美が行った。

「寂しいか」

「ちょっとね。でも、私には颯太くんがいるから……」

琴美は僕の胸に顔を埋めて泣いた。

「帰ろうか」

「うん」

僕たちは、そのまま空港を後にした。

「琴美、ちょっと寄って行っていい？」

車を運転しながら僕は言った。

「いいけど、どこに寄るの？」

それには答えず僕は高速を降りると、車を街道沿いのホテルに入れた。

「颯太くん……」

琴美は、入るとき一瞬、僕の顔を見たが、何も言わずについてきてくれた。

僕は思い切り、琴美を抱いた。昨日、あれだけ出したのに僕の欲望は尽きることがなかった。琴美も疲れているだろうに、しっかり僕に応えてくれた。

「琴美、琴美、琴美っ」

「あんっ、あんっ、あぁんっ……颯太くん、またイッちゃう……イク、イク……イクっ」

琴美の中に２回出して、ようやく僕の欲望は治まった。