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恋がしたいと言いながら
第3章 おうちエッチ
 マンションの前でタクシーを降りると、私は優也くんを引っ張るようにしてエレベーターに乗り込んだ。
 私の部屋は3階だけど、到着するまでの僅かな時間すら惜しくてキスをせがむ。
 涼しい顔をした彼が全く取り合ってくれないのはいつものことだし、そうされることでますます昂ってしまうのもいつも通りだ。
 ようやく部屋に戻ると、すぐさまベッドに直行する。狭いけど、玄関とベッドの距離が近いのはワンルームの良いところかも知れない。
 優也くんはベッドの淵に腰かけて、私はその足下に膝をつく。
 スーツ姿の彼に見下ろされるのは大好きだ。こうしていると、私には分不相応なほどいい男だと思い知らされるようでゾクゾクする。
「舐めていい?」
 上目遣いでそう訊くのは合図みたいなものだ。断られたことなんかないけど、毎回きちんと訊いている。
「いいよ」
 許可をもらったらスラックスのジッパーに手をかける。
 前をくつろげると、一日じゅう押し込められていた雄の匂いがふわりと鼻腔をくすぐった。
 デオドラントじゃ誤魔化せない、優也くん自身の匂いだ。汗で蒸されて、いっそう濃くなったその香りにクラクラする。
 鼻を突っ込んでスーッと深呼吸すると優也くんが「やめてよ」と身をよじった。
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