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第14章 鏡オナニー

　なんとも言えない惨めな気持ちが胸の奥に広がっていく。
　その黒い感情を拭うように、私はタンスの奥にしまっていたランジェリーを引っ張り出した。
　前に真由ちゃんのお店で買った、黒レースのブラセットとベビードール。
　優也くんを想いながら買ったこれを着たら、可愛げを取り戻せるだろうか。
　ひとりきりのワンルームで、私はそれを身に付け、姿見の前に立ってみた。
　乳房を覆う繊細な花模様の黒レースが、優也くんが白くて綺麗だと褒めてくれた肌によく映えている。
　乳首はかろうじて隠されているけど、小さすぎる布をツンと押し上げてはみ出している。
　パンティも同様にほとんどがレースでできているうえ、左右を紐で止めているだけの解放的すぎるデザインだ。
　おまけに大事なワレメを覆うはずの部分はパックリ開けて、大事な部分が丸見えになっている。
　もはや下着としては何の意味もない。
　見せたいのか隠したいのか、どっちつかずの身体を、キャミソール型のベビードールがヴェールのように包んでいる。