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プリティ・ウーマン
第7章 驚きの再開
「「アンタさぁ…」」
私が紡ごうとした言葉は、こんな良いお店に呼び出すなら…なんて云う意味合いの言葉。
対局、彼が紡ごうとした言葉とは…多分目線が勇利にあるから「どういう事だよ?」といった具合の事だろう。
ドアマンにサンキュー、と呟いてから荷物を全て荷物置きの中に入れると、勇利と私2人してアタマの上に掛けていたサングラスをチェアー付近にある小さなサイドテーブルの上に置いた。可愛い小物入れには、カチカチと音が鳴ったらイヤなため、外した腕時計を入れる。
「こんな良い店に呼び出すなら先に言ってよ。」
何の断りも無く、そう言いながら椅子に腰掛けた私を見て勇利も真似するかの様に静かに、音を鳴らさない様気をつけながら椅子を引いて全然、身長なんて足りもしない優雅な椅子に腰かける。
「あ、この椅子、低いでしょ?ごめん、イルト。なんか子ども様のクッション貰ってあげてよ。」
「あ…ああ。」
100と書かれたスイッチを押すと、ものの10秒も経たない内に今度は別人のキレイな女性が要件を聞きに来てくれた。
その女性に、何て言ってるか全く分からない韓国語で何かを早口に伝えるイルトの横顔は…この前見た時よりも、どこか健康そうに思える。隈が無いからかな?
3度、小さく、そして優雅に頷いたウェイトレスさんは勇利に高いテーブルを見ながら固まっている勇利に可愛く手を振ると、静かに部屋を後にする。