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~菊タブー~ お妃候補はドレサージュに陶酔し…
第3章 美人外交官は秘密結社のターゲット
「もうすでにイクコは世界の闇社会のハンターたちの格好の標的というわけさ。賭けてもいいよ。君はごく近い未来、その団体に拉致される。そして世にも奇妙で…かつ、淫らなドレサージュを受ける羽目になる…。君はこれまでの人生観や価値観、そして性感まで変えられることになるだろうね。類稀なる性体験を望まないのならば気を付けることだ」
「そう、面白いわね、もし本当にそんなことが起これば。《お妃候補》の私がシンジケートに捕まりでもすれば、きっと徳宮が助けに来てくれるんじゃなくって?…」
もうこれ以上、猥談を仕掛けてくるこの不愉快な同窓生に時間を取られたくない。軽い皮肉を込めた口調を残し、席を立とうとした郁子は急激に強い眩暈を覚えた。
「あ、あぁ…」
ガクンと脳髄に響き渡る感覚ののち、急激に揺らぐ意識。崩れ落ちる肢体とともに、虚ろになる視界。遠ざかる周囲の音に入り混じり、カオスの不気味な声音が鼓膜を打つ。
「なかなか挑戦的なことを言うじゃないか。だが忠告しただろう、キミは狙われていると。なぜなら、僕はキミをその秘密結社に売り渡すための使者なんだから、フフフフ」
カオスは郁子を抱き留めながら、妖しく嗤った。

ピシーッ、という背中に走る乾いた痛みに、小越郁子は、ひいっと人柄に似つかわしくない卑猥な悲鳴を漏らす。視界は黒い布で目隠しをされているので、自分の置かれている状況は呑み込めない。が、手首足首に冷たく走る鎖の感覚は、彼女自身、窮地に追い込まれていることを察するには十分だ。嗚呼、そしてあろうことか、この高貴で可憐な若い外交官は、股間を覆い隠すショーツ以外すべて取り払われ、ほぼ裸にされている。微かに浅黒い、それでも魅惑の肉体を晒されたうえ、手枷足枷で繋がれ、鞭らしきもので打ち据えられる、それだけでも大変な恥辱と恐怖が郁子を苛んだ。
「ああッ!」
今度は、張りのある臀部をピシリと打たれた郁子は、短い悲鳴を漏らした。
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