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真面目で優秀な、憧れの生徒会長はDQNに弄ばれます
第1章 鮎美と雅明
八木さんは、小学生の頃から成績優秀で、真面目な優等生だった。
印象に残っているのは、僕が50点を取るのがやっとだったテストで、ほんのケアレスミスで90点を取ってしまった時に本気で泣いていたこと。
小学生ながら、八木さんにとって100点を取ることはそれだけ当たり前で、またそれ以下を取ることは屈辱的な事なんだと痛いくらいに感じた。

可愛いかどうか、という観点では、他にもっと可愛い子はいる、という立ち位置だと思う。
実際、‘誰が可愛いか?’という男子の話で八木さんの名前が出ることはほとんどなかった。
けど、真っ白な肌と、綺麗な髪の毛と……あと、同級生どころは上級生と比べても明らかに大きな胸に、僕は魅力されていた。

けど、見た目が良い訳でも、成績が良い訳でも、目立つタイプでもない僕は八木さんと接点を持つことが出来ずにいた。
それは中学2年生になった今でもそうだ。

……けど、八木さんがあまりモテる訳ではないということで、僕はある意味安心して片思いが出来ている。
中2になって、誰と誰が付き合ったとか、別れたとかちらほら聞くようになったけど、そもそも真面目で、しかも生徒会長をしている八木さんにそういう話は皆無。
胸の話はかなりされるようになったけど、舞さんという、細くて凄くスタイルが良い子がいてくれるお陰で、男子の関心はほとんどそちらに向いている状況だ。

けど、そうは言ってももう中学2年生。
僕の成績では、とてもじゃないけど八木が志望する高校には行けない。
せめて友達になりたいけど、僕と八木さんでは何もかもがつり合わなくて、きっとこのまま卒業して離れ離れになるんだろうな、と思ってる。

「はぁ」

うっぷんが、大袈裟な声なって口から吐き出された。
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