• テキストサイズ
午後5:00 白い月と夕焼け
第1章 ケンカ


 「金を出せっ」

穏やかな日常が突然
不穏な空気に変わる
それまで
テレビを見ながらのんびりしてる
普通のどこにでもある家庭だったのに




 「お金なんか あるはずないでしょっ」
母が金切り声で 叫んでいる。



 「早く金出せよ」
父が 母の薄く細い肩を 
ガクガクと
揺すりながら怒鳴っている。
母は 倒れそうになりながら
必死になって 抵抗している。



 毎月毎月給料日前になると
遊びに行く金欲しさに
母を怒鳴り 殴る父。

 安いアパート6畳二間
壁の薄さで隣の部屋まで怒鳴り声が丸聞こえだ

 私は隣の部屋にいたが
いたたまれず両手で耳を塞ぎ
部屋から 逃げて 外に出た。
アパートのブロック塀の裏で
崩れるようにしゃがんで
ため息をつく。
母の泣き声が外まで聞こえる。


 父は 茶の間のタンスかどこか
の引き出しを
開けて ガチャガチャと
何か探しているようだ。 
 「止めてよっ  
そのお金持っていったら
今月もう暮らせないじゃない
もうお金なんかないでしょっ」
母の泣き声が 外にまで聞こえる。

「うるさいっ」
父が母の頭かどこか
殴ったみたいだ。
母は狂ったように
大声で 泣いている。




 『バタン』荒々しい音と共に
 玄関の扉が勢いよく開いた。
ドンドンドンドンと
アパートの階段をかけ降りてきた。
父がなけなしのお金を見つけ
パチンコか何かに行くのだろう。

ブロック塀の影から
駅の方へ
歩いていく父の後ろ姿を見て
私はノロノロと
階段を上がっていった。



/9ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ