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24個の小さな扉
第1章 24個の小さな扉

   *

「……るり?」
「なあに?」

「……話が有んだけど。」
「うん」

 ご飯の後にお楽しみのアドベントカレンダーを一緒に開けたあと、光が改まった声で私を見ないでそう言った。

 光が買ってくれた、ものすごく大きなアドベントカレンダー。
 ステンドグラスみたいな柄の窓をあけると、毎日違うコスメが出て来る。コスメって言っても、メイク用品じゃない。クリームとか、スクラブとか、石けんとか、入浴剤とかで、プレゼントされた時からずっと、12月になるのを楽しみにしていた。
 光と一緒にひとつひとつ開けて、一緒に使ったり、私だけ使っても使った後がいい匂いだって喜んでくれたり、ボディクリームとかは塗ってくれたり、二人で毎日楽しみにしてた。

「ごめん。最後の日のカレンダー、るりと一緒に開けらんない」
「え?」
「……前日から、泊まりで仕事……」
「そう……」

 私は、じゃあ次の日に開けたら良い、って、そう思っただけだった……のに。
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