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女子高生香織の痴漢列車
第1章 痴漢列車
 ガタンガタン、ガタンガタン……。

「はあ、すっかり遅くなっちゃった……」

 学校指定の鞄と体育着入れを肩から掛け、帰りの電車に揺られながら、存賀香織(ありがかおり)は憂鬱そうに呟いた。車窓から見える空はもうすっかり茜色のグラデーションだ。いつもなら引っかかることのない、会社員の帰宅ラッシュ。電車の中は人でいっぱいで、身動きも取りづらい程だった。
 季節は十月。香織の通う高校では一月後に学園祭が控えている。香織はその学園祭の実行委員会の副委員長を務めていた。小規模な地方都市では目立つ私立高校なので、毎年学園祭には非常に多くの市民が訪れている。そのためにこの時期、実行委員は多忙を極めていた。香織も副委員長として様々な部活や委員会の出し物の進捗の確認や、人が足りていない部署の助っ人、商店街へのビラ配りなどあちこち走り回っていたのだ。

(帰ってご飯食べてお風呂入って、宿題を終わらせたらもうドラマ見る時間ないなぁ……まあ録画してあるからいいけどね)

 そんなことを考えている時だった。

 スッ……。

 スカートの上からお尻に触れるものがある。
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