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監禁束縛〜裏切りと暗殺者の最期〜
第6章 壊れた心
クルトは大きく見開かれてるアンリの目を手で押さえ閉じさせると動かなくなり段々冷たくなってきたアンリを抱き上げて地下三階へと移動した。
地下三階には遺体の処理をする部屋と埋葬する大きな墓場がある。
まずは部屋に入りシャワーやボディソープでアンリの遺体をキレイにした。
それから棺桶にアンリの遺体を入れ遺体の上に供養の花を乗せてクルトは手を合わせて目を閉じた。

「アンリ様、どうか安らかにお眠り下さい」

目を開けると棺桶の蓋を閉めて墓場に行き穴を掘り棺桶を埋めた。
また手を合わせてから墓場に背を向けた。
こうしてアンリは15歳という若さでこの世を去っていった。

クルトは地下二階に戻りアンリの尿で汚れた部屋をキレイにしてから一階まで戻った。
アンリが生前使っていた部屋を片付けてからクルトもシェリルとロザリーの部屋に戻った。
部屋に入ろうとした瞬間、部屋の扉が開いてノエルが出てきた。

「クルトか、終わったのか?」

「はい、全て何の問題もなく終わりました」

「だったら今日はいつものはナシだ。身近の人間が死んだんだからな……お前は監視室で二人の様子を見といてくれ」

「はっ、畏まりました」

ノエルは自室へ、クルトは監視室へと移動した。
アンリの死を知らされたシェリルは泣き叫び泣きつかれて今は眠っていた。
ロザリーにも知らされたが彼女は心が完全に壊れていて泣き叫ぶ事はなかった。
ただ理解はしてるのか涙を流していた。

「……死…死ぬ……死んで、終わり…終わり、終わり…」

ブツブツと壊れた人形みたいに身体を揺すりながら何度も何度も虚ろな目で呟いている。

(アンリ、君ッ……)

目を覚ますとシェリルの目からはまた涙が流れていた。

(死にたい…死にたい死にたい…)

早くこの地獄から解放されたくて、アンリに会いたくてシェリルの頭の中では死ぬ事しか考えられなくなった。
そんな二人の様子をクルトは監視室で見ていた。

(しばらくは様子見した方がよさそうですね。落ち着くまでは…)

情緒不安定な二人をまずは落ち着かせる為に性行為を控えた方がいいとノエルに伝え、二人にはちょっとした休息日が与えられた。
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