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監禁束縛〜裏切りと暗殺者の最期〜
第9章 旅立ち
「………こ、こは……?」

シェリルは光が差し込まない暗闇の空間で目が覚めた。

(なにここ?真っ暗だけど…なんで私の足元だけ光ってるの!?)

まるでスポットライトを浴びてるようにシェリルの所だけが明るかった。
全裸だったシェリルの姿は今はノエル達に拐われる前の服を身に着けていた。

(よく分からないけど……私、どうしたんだっけ?)

心を落ち着かせて何が起きたのかシェリルは思い出そうとした。

(そうだッ!!私…ノエルさんにあの屋敷に連れて来られた理由教えてもらって…殺されて……それで……って、あれ?なんで私生きてるの?胸も痛くないし苦しくない…心臓がドクンドクンもしない……なんで?)

「な、なんで…死んで、ないの?」

「正確に言うとあなたは死にました」

「えッ!?」

側から知らない声が聞こえてきてシェリルは目を見開き聞こえてきた方に振り返った。
そこには羽衣を着た長い金髪に青い瞳を持つ綺麗な女性がいた。

「初めまして、私はあなた達人間が女神だと崇める者です」

「め、女神さま…?」

シェリルはキョトンとしている。

「ええ。女神としての私の役割は現世を去った魂を黄泉の世界…天界か地獄に送る事。
シェリル・ヴェルンバーグさん、あなたは十一歳という若さで現世を去りました。本来ならあなたのような子供は天界に送るのですが…あなたは罪を犯しました。そうですね?」

「!!は、はい…」

シェリルは俯いた。

「罪人とはいえ、人を殺(あや)める行為は許されない行為です。本来なら地獄に落とすのですが…あなたのような子供が耐えられる場所ではありません。かと言って天界に送る事も出来ません」

(えっ?それじゃあ…私はどうなるの!?)

「そこであなたに二つ選択肢を与えます。一つは違う世界で真っ当に生きていく事。犯罪を犯した時点であなたの魂は消滅し、二度と転生など出来なくなります。
もう一つは天界と地獄ではない第三の“異界”に行く事。異界とは現世とは違う摩訶不思議な世界で…死者が転生する事なく終わりのない時間(とき)を過ごす場所…。成長する事などはなく、もちろん転生する事など出来ません。さぁ、あなたはどちらを選びますか?」

シェリルの選ぶ道は最初から決まっていた。
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