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借金のカタに妻を差し出しました 復讐編
第6章 31日後
テーブルの上には、帰宅途中で買ったビールと、つまみが並べられていた。
魅久が働きに出て、水曜日のノー残業デイは、一人でコンビニで買って帰る様になっていた。
和空が、着替えもせず飲み始めた時だった、インターフォンが鳴った。
モニターには、早喜が映っていた。
和空は「どうぞ。」と、だけ言って、要件も聴かずに解錠した。

玄関で早喜は、「様子を見に来ました。あと、少しお話を。上がってもよろしいですか。」和空は、考えもせず、部屋に上げた。

テーブルを挟んだ早喜は、テーブルの上を見て、「気にせず飲んで下さい。」と、そう言って自分も座った。

「お元気そうね。ちゃんと仕事にも行ってるので返済も問題ありませんね。」
早喜の言葉に、和空はビールを一口含んで、「ええ。」と、答えた。
「今日は魅久さんは、残業です。早く帰られたのに、すいません。」
和空は謝意を伝える言葉に、「いえ。」と、だけ答えた。
残業の内容を聞こうと思ったが、口には出さなかった。

早喜は、魅久の仕事ぶり、左脇の仕事を話しだした。
和空は、取り敢えずは聴いていたが、頭には残らなかった。
話しが一段落した頃、早喜は、
「最近、奥様キレイになったと思いませんか?」
「そうですか。」
和空は答えたが、働きに出てから、まともに会話の無く、そんな事は思っていなかったが、少し前、魅久の後ろ姿で髪を短く切った事は判った。
「そんな事ないわよ、私から見たら見違えたわ。」
和空はテーブルの上に目線をやったまま、返事をしなかった。
「奥様がキレイになったら、色々楽しいでしょ。」
その言葉に、和空は不条理な、わだかまりを覚えた。
あの日、早喜の手の中で果ててから、不能になってしまっていた。
当初は魅久も協力的であったが、仕事に出てからは心配も無かった。
和空は立ち上がり、早喜にゆっくりと近づいた。
早喜も、立ち上がりそのまま後ろへ、下がった。
和空は両手で早喜の肩を掴み、壁に押しつけた。

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