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借金のカタに妻を差し出しました 復讐編
第11章 落札者
魅久と志寿火は、用意された車でホテルへと向かう。
二人とも着替えずに、コートを羽織って車へ乗っていた。

車内で魅久は志寿火に、落札者の名前と人なりを聞かされた。
魅久は、落札者を知っているようだった。
落札者は、身凪険象、58歳、医者で病院をいくつも持っていると聞かされた。
最後に、最初の挨拶をしっかりと、教えた通りにと念を押された。

ホテルのVIP用の駐車場から、直接指定されたスイートルームまで誰にも会わずに入ることができた。
魅久は、ドアをノックして、カードでドアを少し開け、来た事を告げると、中から、「どうぞ、入って下さい。」と、男性が答えた。

広い部屋には、ダイニングテーブル、バーカウンター、アンティーク調の家具、奥のソファーに男性が一人で座っていた。

魅久は、ドアを入ると、コートを壁に掛けながら、志寿火の耳元で、男性が身凪であると伝えた。

二人は、ソファーの前まで進み、ソファーの下に轢かれた絨毯の前で立ち止まり、志寿火は床に正座し三つ指をついて、挨拶をした。
「本日は、志寿火を落札していただきありがとうございました。一生懸命努めますので、なんでも仰ってください。」
魅久は、その世に立ったまま、志寿火に合わせて頭を下げた。

「堅苦しい挨拶は、いいから立ち上げって下さい。」
身凪は、バスローブを纏い、手にはブランデーグラスを持っていた。
志寿火が立ち上がると、「靴を脱いで上がりなさい。」と言われ、志寿火
は靴を脱いで絨毯の上に一歩足を進めた。

セーラー服姿の志寿火は、恥ずかしいそうに立っていた。
身凪はそんな志寿火を、しばらく値踏みする様に見ると、
「スカートの下は、どうなっている。先程は見せて貰えなかったからな。」
志寿火は、後ろを振り返り、魅久を見ると、魅久は頷いて従うようにと伝えた。
志寿火は顔を俯かせ、身凪と目を合わせない様に、スカートの裾を両手で持ち、ゆっくりと持ち上げた。

下着を着けていない、下半身が晒される。しかし、ある筈のものが剃られ、白い素肌が身凪の目に入ってきた。
「これは、これは、」そう言って、身凪はグラスをテーブルに置き、背もたれから体を起こした。
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