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今日もあの男がやってくる
第29章 その29
 「で、どうするんだ?!」夫の冷たい言葉が私の胸に突き刺さります。「・・・・」「お前、どうする気なんだ?!」「どうするって・・・」「あいつ、いったい何物なんだ?」「・・・・」「どこのどいつか知らないが、あのわけも分からない男が好きでこうなったんだろ!」「もう離婚だな!」夫を裏切った妻に対する嗜虐的な怒りの言葉が続きました。「そんな・・・・」このような状況になってはもはや私に弁解の余地がないことは分かっていました。「他の男と目の前で抱き合った妻を、、そうでしたか、と許せると思っているのか!」私は、うなだれたきりみじろぎもしませんでした。夫とはとても目を合わすいことができませんでした。ただ、そのような状況の中でも、私の膣からは、あの男が放ったザーメンの残り汁が、時折、流れ落ちるのを感じていました。情事のあとの私の肉体からはあの男の匂いがしているように思えました。おそらく、室内に漂う雄と雌の交わりが放つ生々しい匂いとともに夫はそれに気づいているようでした。しばらく重い沈黙が続きました。夫のいない間に、男の求めに応じて体を任せて交わり、悦びの声をあげていた妻の姿に、夫は打ちのめされているようでした。裏切り、家庭崩壊、離婚・・といった言葉が私のそして夫の頭のなかをグルグルと回っていました。これからどのように展開していくのか、まったく先が見えませんでした。ただ私の過ちで築きあげてきたものががらがらと音をたてて崩れ去ってしまった今、どんなに言葉を費やしても元に戻すのは不可能に思えました。長い長い沈黙が続きました。「まさか俺のいぬ間に、男を連れこんでセックスするような女だとは思わなかった・・・」ようやく夫は重い口を開きました。「・・・・・」「何とか言ったらどうなんだ。」「・・・・・」「あいつに強引に犯されたとでも言うのか?」「・・・・・」私は小さく頷きました。だって、それは半分はあたっているのですから。「強引に犯された?ウソつけ!このベッドの上であいつと抱き合っていたじゃないか?」「・・・・」「あいつのチンポを舐めたんだろ!気持ちよくて声をあげていたじゃないか!お前がよがる声も聞こえたし、あいつの上にまたがり自分で腰を振りながらのけぞっていたじゃないか!」「・・・・・」「ゴムをつけずにしたんじゃないだろうな。」わかっていながら夫は、問いただしました。
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