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スカーレット オーク
第27章 27 情事
「やっ」

 下から突き上げられ緋紗は刺激の強さに耐えるように歯を食いしばっている。
辛そうなので、止まって緋紗の腰を持ち、彼女を動かすと形の良い乳房が揺れる。――楽だな。
花芯をこするとまた足をぎゅうっと閉じようと頑張っている。

「だめだよ。閉じたら。」

擦られながら下から突き上げられ、もうどうなっているのかわからないまま緋紗は達して直樹の身体の上に崩れ落ちてきた。
太ももを小刻みに痙攣させ、直樹を抱きしめ短い呼吸を繰り返している。――豹って交尾も木の上でするのかな?

少し緋紗が落ち着いてきたのでまた直樹は動いた。
すがりつく緋紗が可愛らしい。

「僕もいくよ。」
 
断ってから直樹も達した。



 緋紗が目を覚ました時まだ直樹は隣で静かに眠っていた。――よかった。今日は一緒に降りていこう。
 まだ外は薄っすらと白んでいる。
朝が来て直樹の寝顔を見ると夜の情事の激しさが嘘のように思える。
端整だがあっさりとしている顔立ちからはあのサディスティックな雰囲気が想像できなかった。

パジャマのボタンが外れ、覗かれる彼の胸は滑らかな象牙色で彫刻のようだ。――オデッセイウス……。
 服を着ていると普通なのに脱ぐととても逞しい直樹の身体を誰にも見せたくないとひそかに思った。

ぼんやり眺めていると、「ん……」と身体が動き、直樹が起き始めた。
緋紗は恥ずかしくて寝たふりをしていると直樹は緋紗を動かさないようにそっと起きだす。――やっぱり優しい。

 静かに支度をしているところへ今起きたように「おはようございます」と、声をかけた。

「あ。ごめんね。起こしたかな。おはよう」
「いえ。私も一緒に降ります」
「ん」

 化粧っ気のない緋紗は支度が早い。

「いつも早いね」

 笑って直樹は髭を剃っていた。
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