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スカーレット オーク
第31章 31 疑問
 慌ただしい時間が終わり二人の夜がやってくる。
風呂から上がってベッドに座り、慣れない新婚のようにもじもじする緋紗の手を、直樹はマイペースにごろっと横になって引っ張った。
自分の身体の上に乗せ当然のようにボタンを外しはじめる。
緋紗は自分の下の逞しい身体と、昼間の薪を割っている姿も思い出して興奮した。
しかしさっきの不安も頭をもたげてくる。

「あの……。直樹さん。相手がいるときは毎日する方ですか?」

 思わず変な質問をしてしまったと思った。

「ん?セックス?いや。全然だったよ。別になくても平気な方でね」

 あっさりと言われて少し面を食らう。

「でも僕たちはこのためにいるからね」

 笑いながら言う直樹にセフレと恋人は違うんだろうか、と思ったが言えなかった。
久しぶりに得たセックスパートナーなので親切にしてくれているだけかもそれない。
心から好きになってしまうと辛いだろう。
緋紗自身も直樹を欲望の対象としてみていたのに、だんだんと変わってきてしまっている自分に戸惑う。

「もう飽きた?嫌だったらよすよ」

 直樹は優しく言ってボタンを外すのをやめた。

「嫌なんかじゃないです」

 緋紗は精一杯言った。

「そう?じゃ今日は緋紗の好きなことしてあげるよ。どういうのがいい?」

 いきなり言われてまた言葉に詰まる。
緋紗の焦っている顔を見て直樹はくすりと笑ってまたボタンを外し、全部脱がしてしまい、口づけはじめた。
直樹には緋紗の好きな体位が予想できていたがわざと、「昨日みたいなのがいい?」と、聞いた。
緋紗はまた慌てて首を振る。恥ずかしくて言えなかった。

「じゃあ僕の好きにしていいの?」
 ――直樹さんは何が好きなんだろ。
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