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スカーレット オーク
第36章 36 露天風呂
 足元は少しごつごつした岩でできていて所々すのこが敷いてある。
どうやら岩風呂の露天風呂らしい。
恐る恐る歩いていると、「ちょうどいいよ。手桶が右にあるよ」湯の中から直樹の声が聞こえてきた。――え。入ってるの?

「いるんですか?」

 思わず両手で身体を隠した。

「僕も行くって言ったでしょ」

 暢気そうに直樹は言った。
緋紗は横向きにかけ湯をしてお湯を探っていると直樹が近寄り、「そこのでっぱり危ないから気を付けて」 と、緋紗に注意を促した。
緋紗が顔をしかめていると「ああ、目が悪いのか。そんなに視力悪いの?」と、訊ねてきた。

「いえ。そこまでじゃないですけど。ちょっとこの湯気だと見えにくいですね」

 直樹はこの湯に浸かりなれているのだろう。
細かいところまで注意が行き届く。

「直樹さんは慣れたものですね」
「そうでもないよ。年に一回か二回入るくらい」
「直樹さんも目が悪いのによく平気だなあと思って」
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