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スカーレット オーク
第41章 41 ネットゲーム2
 次の週も直樹はネットゲームにログインした。
ここ何年かは習慣と惰性のようなログインだったが、緋紗がいると思うと億劫さがなくなる。
先週の戦闘もなかなか楽しかった。
ゲーム内であんなに多くの人がいるのに、現実の知り合いは誰もプレイしていないことが当たり前だったので、緋紗の存在は新鮮だ。――盗賊か。
 
『スカーレット』の機敏な動きや接近戦に対する能動的な態度はリアルの緋紗そのもので、キャラクターの華奢なスタイルも彼女にマッチしていた。
ゲームのキャラクターを作るときは自分にそっくりになるか、全く逆になるパターンが多いが緋紗は前者らしい。
今となっては直樹自身、獣人の『ミスト』が自分が投影された分身として馴染んでいるが、当時は会社勤めに嫌気がさしストレスも感じていたので、本来の自分ではないキャラクターを選択したように思う。

 戦争ゾーンは広く、会えるとは限らないし参加してないかもしれない。
前回は三回目のログインでやっと会えたのだった。――友録したから大丈夫か。
 ペンションから別れて緋紗を常に気にはしていたが、なんとなく電話を掛ける気にはならずそのままにしてしまっていた。
直樹も緋紗同様、音声と言葉の羅列には意味をなさないような気がしていたからだ。

 ローディング画面が流れ、やがて『ミスト』が登場する。
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