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スカーレット オーク
第53章 53 静岡へ再び
横たわっている緋紗を優しく撫でてから直樹は服を着て台所へ行き冷蔵庫から水をもってきた。

「緋紗。水飲む?」

緋紗はシーツを巻き付けながらゆっくり身体を起こす。――相変わらずだな。
彼女のガードが硬いのか緩いのかよくわからない行動に直樹は笑った。

「あっ」

 緋紗が慌ててティッシュペーパーを取ろうとすると、折角巻きつけたシーツが外れてしまいまた全裸になった。
焦る緋紗にシーツをかけてやり直樹はティッシュペーパーで太腿に流れ出てきた精液を拭きとってやった。

「シーツを汚しちゃう」

 緋紗は済まなさそうに言う。

「いいよ。洗えば。緋紗のせいじゃないし」
「はい」

――かわいい。
直樹は緋紗を抱きしめ、自分の口に水を含んでキスをし水を飲ませた。
コクっと緋紗の喉が鳴る。
もう一度飲ませる。
目を閉じて唇を濡らした緋紗がとても色っぽい。
舌を差し込んでキスすると緋紗がおずおずと直樹の舌を吸った。

「備前でしたキスみたいにしてくれないの?」
「えっ。何か違いますか?」

――やっぱり窯焚きハイか。

「緋紗は岡山だと積極的だね」

時計を見ると四時半を過ぎている。

「今日の夜は『セレナーデ』でご飯食べよう」
「え。ほんとですか。嬉しい」
「着替えたら行こうか。慌てなくていいよ」

 直樹はさっき剥ぎ取ったワンピースと下着を緋紗に渡した。
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