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スカーレット オーク
第66章 66 これから
 次の日緋紗は思い切ってペンションに電話をかけてみた。

『緋紗ちゃんか!どうした?』

 和夫も小夜子も帰り際の二人の様子がおかしいことを心配していたのだった。
 簡単に二人の経緯を告げて、そしてそのペンションで働かせてくれないかと頼む。

『こんなこといきなり言いだしてすみません。もう誰か働いていたら結構ですので』
『いや。学生がバイトに来てただけでもういないんだ。ちょうど探してはいたんだ。小夜子もそろそろ動けないし』

 後ろで小夜子が代われと喚いている。

『緋紗ちゃん?歓迎よ。きてきて。学生なんか使えやしない。住み込みでもいい?嫌だったら家探すけど』

 また和夫に代わった。

『ということだよ。こちらこそお願いしたいよ。陶芸のことも一緒に考えよう』

 和夫と小夜子は緋紗の気持ちをよく分かってくれていた。

『ありがとうございます』

 緋紗は電話口で頭を何度も下げた。
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