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第9章 おとぎ話

週末は久し振りに親友の菜々子(ななこ)と食事をした。
繁華街のエスニック料理店で、軽くアルコールを嗜みながら談笑する。
お互いの近況を語り合う。
美里は、真斗と別れた話も躊躇なく話せた。
もう未練も何も無い。
「新しい彼氏は出来そう？気になる人とか？」
……気になる人？
菜々子に訊かれ、美里には寛の事が頭に浮かんだ。
しかし、だいぶ年配の、おじいさんの事が気になっていると答えたら、菜々子はどんな反応を示すだろうか。
美里は返事をせず、話題を変えた。
「菜々子は、彼氏とかいないの？」
菜々子はニヤニヤとし、待ってましたとばかりに嬉しそうに語り出す。