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ど腐れたラブの物語【完結】
第4章 その3
その3



陰臭漂う、絵に描いたような遊歩道脇の公衆トイレの一室…。
静かな昼下がり…、奇妙な行き掛かりでの淫靡な濃艶のひと時は、今まさに”クライマックス”を迎えようとしていた…。


「ううっ…、なかなかいい…。マユミさん、ここらであんたからも何か言葉かけしてくれ。”それ”聞いたらイケそうだ…。とびっきり、いやらしいのを頼む…」


「‥気持ち、いいですか?」


とってつけたような通り一遍の凡フレーズ…。
現在進行形の手コキ被験者たる殿方とあれば、通常はのけ反るところだろうが…、なぜか吉原には、この凡庸極まるワンフレーズがトドメの一撃となったようだ…。


「うぉー、イク…!!」


自称、ロクでもないエスパーオヤジ・吉原コウジは、真昼間の公衆便所個室で激しくイッた…。
この日に備え、5日間ため込んだドロドロの精子をどびゅっと大量噴出させて…。


***


「…ああ、マユミさん、後はやっとくからいいわ。アンタはもう行ってくれ」


「いいんですか、後始末しなくて…」


「いいよ。人が来る前に引き上げな。今日はいきなりで済まなかったな。ありがとう…。気持ちよかったわ」


「…」


マユミは、ひと目でスーパーのセール品と分かるポロシャツをセンスなくぎゅうぎゅうで着こなす吉原が、そそくさと自身の放出した精子を拭きとって掃除する姿を目の当たりにし、どこかカルチャーショックを受けていた…。
なぜだか。


”アイツもコレ、やってくれてる。いつもエッチの後…。でも、違う…。このおじさんとあの人のやってること…。なんだろうか…、この感覚…”


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