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絶頂霊
第6章 その6
その6
藤本マナブ



その霊能力者の先生は牧野ヒロコという名で、60代前半くらいの小柄だが、シャキッとした感じの女性だった。
見かけは”その手”のおばさんって雰囲気はなく、まあ、オレとしては一応安心した。


何しろこの種のお歴々って、一歩間違えるとトンデモ系のいかがわしい輩が少なくないみたいだし、レオナもそうだったろうが、実際に会ってみるまではやはり不安が頭の中にあったから…。


で、第一印象では信頼してみる価値ありと見た。
応接の隣に座っているレオナとも目で確認しあい、さっそくカウンセリングと相成った訳だ。


***


「じゃあ、その女はいわゆる生霊…、死後の霊ではないんですか?」


「話を聞いて津範囲では、その可能性の方が強いかな。でも、それは別途確かめる必要があるわ。もっとも、今回のあなた方のような症例であれば、対処法は原則一緒だけどね」


「あのう、仮に生きてる女ってことなら、その人は何でオレに…。オレは会ったことなくとも、向こうはこっちを周知ってことですか?」


「どっちもあり得るわ。例えば銀行で窓口を担当してる女性があなたと何度か接していれば、もうそれだけで、彼女にそれなりの下地が整ってたら”その動機”は成立しちゃうし。逆に激しい性交渉の波長に乗っかってきたってケースも考えられる」


オレとレオナは顔を向け合って、きょとんとしていたわ。


***


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