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第12章 最終決戦、開始

六人いた許嫁は三人にまで絞りこまれた。

元々彼女だった和風のおっとりとした美少女である千樹さくら。

ロリータファッションの似合う邪気眼厨二病の中学二年生美少女、西尾梨華。

現役トップアイドルで正統派美少女、一条寺琴音。



残った三人はいずれ劣らぬ美少女揃いだったが、翔太の気持ちは暗かった。
なんとか恋人のさくらは残せたが、落選していったものたちを思うと胸が痛む。
特に幼なじみの天谷の悲痛な叫び声は未だに耳の奥に残っていた。

ベッドにばたんと身体を預けた翔太は無気力になり、ドアをノックされても返事すらしなかった。
翔太の返事を待たずにドアが開けられる。

「いるなら返事くらいしたらどうだ、翔太」

「てめぇ……じじぃ!!」

部屋に入っていきたのは使用人ではなく、この屋敷の主、有馬紫水であった。