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許嫁が多すぎる
第6章 選択肢
「えっ……嫌っ……動いてっ! 動いてくださいっ!」

百円入れて動く遊具が止まってしまった子供が駄々を捏ねるように腰を前後させて訴える。

「もう終わりだ」

「なんでっ! もっとして下さいっ!」

「痛いんだろ?」

「平気ですっ! 子供扱いしないで下さいっ!」

涙目で訴える梨華の頭を翔太は優しく撫でながら微笑んだ。

「えっちは無理してするものじゃない。痛い思いしたら次から怖くなるだろう? 本当はもっと沢山弄ってからしてやるものだ。だから今日はここまで」

優しく諭された梨華は口を尖らせて不満そうに納得した。
しかし内心は優しく気遣いをしてくれた翔太に胸をときめかせていた。

「じゃあ……次はゆっくり愛して下さいよ」

「ああ、わかったよ」

苦笑いをしながら翔太は答えた。
梨華は脚を解いて立ち上がった。
必然、覆うもののない裸体を晒してしまう。

「きゃああっ!?」

梨華は悲鳴を上げてしゃがむ。

「み、見ました? 私の裸っ見たでしょっ、アベル様っ!」

「み、見てない……てか、今のはどうやったって見えるし、お前が悪いだろ?」

「えっちっ!」

梨華はたっぷりお湯を吸ってビタビタになったバスタオルを湯船から拾い、体に巻きつけて浴室から逃げるように出ていった。
自らえっちまでしてきて今更裸を見られるのを恥ずかしがる梨華に翔太は可愛さを感じていた。

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