この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
大魔王の子を孕みます
第14章 勇者



紳士な勇者を利用して情報を集めたいと考えるのは俺も相手も同じ立場だ。


「止めとけよ。そいつは悪魔に仕えるメイドだぞ。さっさと殺した方が神々の為になる。」


勇者の後ろに控えた男が神々を持ち出し殺人を正当化する。

ああ…、本当に人間って身勝手な生き物だ。

勝手な時は神に助けを請い、悪行を責められれば自分の中の悪魔が悪いのだと罪を悪魔に押し付ける。


「この子はどう見ても人間だ。魔族の奴隷かもしれない。」


誠実な勇者が聖者を気取って俺に同情を示す。

俺から大魔王の情報を引き出そうとしてる段階でお前も同罪だって事に気付けよ。

愚かな勇者にそう言ってやりたいが、今は黙って怯えるだけのメイドを演じ続ける。


「お前が仕えてる魔族について話せ…。」


そうすれば助かるぞと恩を着せる辺りが胡散臭い。


「私が仕えてる方はエリス様というサキュバスで、新月の挨拶の為に近くの街へ参りました。」


怯えるメイドが嘘を吐く。


「エリスって、次期女王と言われてたサキュバスか?」

「いや、次期女王は人間だと新たな情報が入ってる。」

「新月の挨拶なら大魔王も一緒に来たはずだ。」


男達が口々に話をする。


「メイド、お前は大魔王達と街へ来たのか?お前の他に人間の女は一緒だったのか?」


動揺する勇者が俺の肩を揺する。

風が吹いた。

ブンッと教会中の埃を一掃するような突風だった。

ロウソクの灯りが一瞬で消えて、教会の中が暗闇へと堕ちる。


「クソっ…、灯りを点けろ。」


狼狽える声がする。

闇の中で無闇に動く男達が何かにぶつかる音がする。

俺だけが冷静なままだ。

闇を怖がる必要は無いと俺はちゃんと知ってる。


/177ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ