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大魔王の子を孕みます
第14章 勇者



せっかく俺が頑張ってやってるのだから、黙って大人しくしてれば良いのに勇者が


「悪魔に情けなどあるはずがない。愛も知らぬ悪魔には人間は虫けらと同じ存在だ。そんな危険なものを許してはおけぬ。我々に愛を向ける存在は神だけだ。」


とご丁寧に喚いてくれる。


「…だそうだ。」


ライズが俺に勝ち誇って意地悪な笑みを浮かべ、手をゆっくりと握る素振りを見せる。


「グハッ…。」


威勢よく喚いてた勇者に黒い炎が巻き付き、勇者を燃やしながら締め付ける。


「だから…、止めろ…。そういう事するなら俺はライズの事を嫌いになるからな?」

「そうやってシロは私を困らせる。」


ライズが手を緩めれば勇者は黒い炎から解放される。


「ライズ…、俺を信じてるか?」


これは俺の賭けだ。


「お前はどうなのだ?」


ライズが逆に聞き返して来る。

俺はこの質問に誠実に答えてやる必要がある。


「人間の女はさ、信じてない男に触られたりするのが怖い。もしも信じて裏切られたりするれば怖いから…。でも信じられる男だと凄く安心する。俺はお前に抱かれてる時が一番気持ち良くて堪らない。今はお前が傍に居てくれてる安心が、ちゃんとわかるから俺に怖いものは何もない。だから俺はお前を愛してて誰よりもお前を信じてると確信してる。ライズはそう思う俺とは違う気持ちか?」


ライズが俺と同じ気持ちでいて欲しいと思う。

俺だけの一方通行な気持ちだと片思いだと悲しくなる。

1人でドキドキしてる俺の手を握り、その平にライズが口付けて舐めて来る。


「シロに初めてあった時は驚いた。この私に向かって勇者になりたいなどと馬鹿な事を言う輩をメイドとして辱めて恐怖に陥れてやろうくらいにしか考えてなかった。だがシロは特別でユニークで、そして弱くて泣き虫で…、大魔王である私の腕の中で幸せそうに笑ってくれる。私はそんなお前を守りたいと思った。今ではお前以外は何も要らないとまで思ってる。それが愛してるという気持ちならば、私は誰よりもお前を愛してて信じてると言える。」


まるでプロポーズをされたみたいに嬉しいと思う。


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