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大魔王の子を孕みます
第3章 テラス



ふわりと軽やかにベッドから降ろされた。

そのままライズは俺の手を取り、恋人やお姫様を扱うように俺をテラスの方へと導く。


「なら、人間はどうやって、その気とやらになるのだ?」


テラスに出たライズが俺を見下ろして聞いて来る。


「えーっと…。」


こんな状況で千夏さんの言葉を思い出す。


『本当にシロって馬鹿…、大体さ、女の子はその気のない男に自分から声を掛けたりしないのよ。なのにせっかく声を掛けて来た女の子を連れて上級ダンジョンに2時間も篭ってたくせに、やったのはモンスター退治だけって馬鹿過ぎるよ。』


そうやって千夏さんはポンポンと文句を言う。

デュセリオンでは始まりの街になるスレイブの街で明らかに初心者装備をした女の子が俺に声を掛けて来た。

デュセリオン硬貨が稼げずにレベルも上がらず、装備も揃わないと相談を受けた俺は女の子を上級ダンジョンに連れて行く。

レベルは俺とのレベル差があり過ぎて上がりはしないが、手っ取り早く硬貨は稼げると俺はドロップ拒否までして、その子に全てのアイテムと硬貨を与えたのに…。

彼女は翌日、亜人と呼ばれる猫型の獣人アバターに所持金の全てを導入し、俺じゃない男と専属パーティー宣言を出していた。

専属パーティー宣言とはそのメンバー以外のパーティーお断りの意味でデュセリオン内では夫婦や恋人が使うパーティーだ。

要するに、女の子の言葉を真に受けて、馬鹿正直に硬貨集めをした俺が悪いと千夏さんは言う。

平林さんの時も同じだ。


『先輩、うちの会社の社食のお勧めありますか?』


そう聞いて来た平林さんに俺は


『お勧めとかわかんねえ。俺は日替わりしか食わないから、他の女性社員に聞いた方が詳しいよ。』


とだけ答えた。


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