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蕾は開き咲きほこる
第12章 昔のキミも今のキミも

「素敵なご夫婦でしたね」

その言葉が自然と出るほど仲睦まじいご夫婦だった。

「おしどり夫婦で有名なんですよ。口が悪いご主人と愛嬌のある奥さん。大将が奥さんにべた惚れなのも商店街では有名は話らしいです」

普段はスーパーで買い物をすませると言っていた光春さんが知っているぐらいだから本当に有名な話なんだろう。

「羨ましいですね」

「そうですか?大将たちに負けず劣らず私も汐里にべた惚れですよ」

サラッと言い切る光春さんの言葉に、大将ではないけど耳まで真っ赤になる。

「ストレートに愛情表現をすると汐里は恥ずかしがりますね。その表情が男心を刺激すると知るべきですよ」

先ほどと同じ言葉を口にする。
その意味が分からず首を傾げると、光春さんは少し困った顔をして「そのうち分かりますよ」と言って私の手を引いて歩きだし、その言葉の意味は家に帰ってすぐに分かった。

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