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蕾は開き咲きほこる
第22章 嫉妬
お店を出ればその女性がすぐさま近寄って光春さんの腕に自分の手を添えて何やら話を始め、それを聞いた光春さんは笑みを零していた。
その笑顔を見た瞬間、心がざわついた。
ギュっと握りしめられたよな、そんな感じだった。
光春さんが女性に微笑み返すたびにズキズキと心が痛み、ふたりが寄り添いながらお店の前から歩き出した瞬間、後先考えずに光春さんを追いかけるようにして店を出た。

「みっ……課長!!」

辛うじて名前で呼ぶことを押しとどめ、一社員の振りをして光春さんを呼ぶと、二人は足を止めて振り返った。

「どうしましたか?」

そう聞かれても、衝動的に呼び止めてしまったために何と答えていいのかわからない。
何も話さない私に、首を傾げながら私の元に来てくれた。

「まだ、何かありましたか?」

それは仕事上の会話。
私が何を思って呼び止めたのか気が付いていない。
彼女と接待に行ってほしくないとは言えなくて、だったら早く帰ってきてほしいと打算的な言葉が口をつく。

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