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蕾は開き咲きほこる
第23章 告白

「それでは、無事に納品ということで!!乾杯!!」

「「「乾杯」」」」

松野下さんの掛け声と共に、3年がかりで手掛けた仕事の打ち上げが始まった。
長年携わってきた仕事だけに感無量で泣き出す社員もいれば、逆に解放されたと言って喜んでいる社員もいた。
私はというと、数日前に高橋さん達と飲みに行ったおかげで楽しい時間を過ごせている。
と言っても、ほとんどが聞き役に回っているだけで、チビチビとお酒を飲みながら相槌を打つだけだった。
そんな私に鮫島さんが答えを有する質問をする。

「坂上さんって、趣味とかあるの?」

「趣味、ですか?」

「そうそう。これにはまってるとか、何かあるんじゃない?」

そう言われて考えてみても趣味といった趣味が思い浮かばない。
写真を撮るようになったと言っても趣味にまでは到達していないし、趣味にするには光春さんに失礼だと思えた。

「趣味という趣味は、ないですね……」

素っ気なくなってしまった返答に申し訳なく思っていると、後ろで盛り上がっていたはずの羽間さんが急に割り込んできた。

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