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蕾は開き咲きほこる
第23章 告白

「それより、どうかしたんですか?私に用事でも?」

この電車に乗ってどこかに行くのだと思っていたけど、そうじゃないらしい。
となれば私に用事があるとしか思えなかった。

「あっ、うん……それはっ……少し、時間いいかな。話したい事があるんだ」

毎日会社で会っているのに話したい事と言われ少し警戒する。

「会社じゃダメなんですか?」

「あっ、うん。会社じゃ話にくいかな?本当に少しでいいんだ。10分、10分でいいから時間をくれないかな?」

羽間さんに対する警戒は消えないけど、必死に頼み込んでくる姿を見てダメとは言えなかった。
何の話をされるのか見当もつかないけど、人通りに面した公園のベンチに座って話を聞くことにした。
だけど、ベンチに座って数分、羽間さんが何かを話し出すことはない。
ただ俯いた向いたままで膝の腕で両手を強く握りしめていた。

「気にしてませんよ……急に手をつかまれてびっくりしましたけど、それだけですから」

もしかして、いきなり手を掴んでしまったことで落ち込んでいるのかと思って私のほうから声をかけた。

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