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蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩

「汐里ちゃんが気にしなくてもいいわよ。お昼から用事があるって言ってたから帰る時間だったと思うし、高畑のおばあちゃんも足腰が痛いから千絵子に送ってもらうって言ってたしね」

知絵子さんたちが帰った事を気にしている私に桜子さんがフォローしてくれた。

「高畑のおばあちゃん、そんなに悪いんですか?」

「そうねぇ~……最近はここに来るのも億劫になってるって言ってるからね。でも一人暮らしでしょう?一人で家に居てもつまらないし、誰かと話してないとボケちゃうって言って通ってはくれてるの。だから知絵子や七海さんたちが来る時は一緒に来てくれてるのよね」

高畑のおばあちゃんは80歳を超えている。
旦那様はだいぶ前に亡くなり、息子さんは結婚して他県に住んでいて独り暮らしだったはず。

「独りは、寂しいですね」

「そうね。だからここに来てみんなとお喋りするのが好きなんですって」

私もずっと独りだったからわかる独りの寂しさ。
それと同時に、この場所の暖かさに救われる気持ちも分かってしまう。

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