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瀬音とボクとよしみくん
第33章 マリアの約束
「待って」


「待てねぇよ」


「瀬音くんはボクのことが好きなの?」


「あぁ」


嬉しい。
でも、


「ちゃんと聞かせて」


「は? ちゃんと?」


「うん、ちゃんと」


「……好……きだ」


あぁ。
その言葉を聞きたかった。


ずっと夢みてた。


「ボクも……瀬音くん……大好き」


ボクは瀬音くんに抱きついた。


そしてキス…….


「待って」


「あぁん? もう待てねぇって」


「夢の続きをしたい」


「夢?」


「観覧車でキスをしてたの」


「はぁ? たく。それで、夢精したのか?」


「ば、ばかっ、そんなにハッキリ言わなくたって」


忘れていたのに。


恥ずかしくって、また顔が熱くて火をふきそう。


「たくっ。しょうがねぇな。3年待ったんだ。もうしばらく待つか」


顔をまた両手で隠す。
瀬音くんの顔は見られない。


せっかくの再会が台無しだよ。


感動の再会になるはずだったのに。


瀬音くんと男同士のレースをして、認めてもらうはずだったのに。


最悪の再会だよ。


夢精を見られての再会だなんて。


神様、やっぱり、夢の方がいいです。


嬉しいのか
恥ずかしのか
ボクの気持ちはぐちゃぐちゃだ。


でも……


それでも
やっぱり
嬉しさ勝っちゃうかもしれない。


瀬音くんが優しくボクを抱きしめる。


どんなに恥ずかしくても、この幸せは離せない。
瀬音くんに抱かれたまま、ボクは最高に幸せの気分にひたる。






ありがとう、瀬音くん……
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