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瀬音とボクとよしみくん
第34章 おまけ③ リクエスト


……俺は病院のベッドにいた。


「で、なんで怪我したの? こんな大事な時期に。水泳の関東大会もうすぐなんだよね?」


「あん? よく覚えてねぇ」


「なにそれ」


「階段から滑り落ちた」


「覚えてるじゃん。どこの?」


「いや、それが、よくわからなくてさ、遊園地なのかな?」


「は? なんなのそれ。誰と行ったの?」


「それが、まったく覚えてないんだよな」


「本当に?」


「遊園地行ってないよな?」


「知らないよ」


何か、夢を見ていたような。


思い出せない。


「あぁ。それと、今度お見舞い来るときは女の子の格好で来てくれないか?」


「え、なんで? やだよ」


「いいじゃねぇか」


「絶対やだからね」


「あん? なんでだよ」


「なんでって、こっちのセリフだよ」


「そうしないと、バレるだろ?」


「は? バレるって? 誰に? 何が?」


「ん? なんでだろう?」


「は? 本当に大丈夫? もう寝ていた方がいいよ」


「う~ん」






本当に、思い出せない。
何か、大切なものだったような気がするのに……
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