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瀬音とボクとよしみくん
第41章 あの日、あの時
「当時、かなりテレビでもやっていました。もちろん学校名、市町村名は伏せられて、モザイクがかかっていましたけど……」


「そうなんだ……」


知らなかった。
いや、覚えていないだけなのかな?


違う、今おもえば、気づいていたような気もする。


いや、気づいていた。


……知っていた。


知らないはずがない。


でも、知らないふりをした。


記憶を……封印した。


それは無意識に?


だって、知らなければ……


良実くんはずっと、生きていることになるんだから。


はじめは号泣してしまったけど、そのあとはだんだんと落ち着いてきた……


のに、説明を聞いているうちに、やっぱり涙がポロポロとこぼれだして止まらない。


良実くんが、転校したと知った日の前日
実は行方不明になっていた。


その事実を知っているのは、当時はごく一部の学校関係者だけだった。
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