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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第5章 素顔の君
カンナの手を引いて一緒に学校を後にする
そのまま送って行こう
そう思ってたけど
オレは…ほんの少し、進路変更する
『ぇ・・・ケイゴ』
『ウチなら、まだ誰もいない
親も仕事だし、弟も部活で遅いから』
手ではらっても
カンナにまとわりついた白い汚れは
制服まで汚して中々に目立つ
このまま家族のいる家に帰るのは
カンナがかわいそうだ
それもあったんだけど
あとは・・・
カンナの手が
いつもより
オレの手をギュッと握る
カンナの手が
どこか・・・小刻みに
震えていたから
『誰にもジャマされないとこに行こう』
少し目を潤ませたカンナが
だまってうなずいた
どこでもいいから
二人きりになりたかった
ガチャ・・・
『ぉ・・・おじゃまします』
『あぁ・・・』
オレはカバンを放り投げて
カンナをさっさと洗面所に連れていく
『ん・・・』
タオルを適当にバサバサと取り出して
カンナに一枚渡した
『ぇ・・・?』
『顔・・・洗えば?
そのまま家に帰るのイヤだろ?』
『あ……ありがとう』
『~~・・・』
バシャバシャバシャ……
そう言ってオレは先に顔を洗って
カンナに無茶苦茶にキスして
自分の顔にもくっついてた粉を落とした
バシャバシャ……バシャ
『んふ・・・きもちぃ』
控えめに顔を洗って
カンナはやっと少し笑顔を見せた
『ほら・・・制服も』
オレは残りのタオルを水で濡らして
ぎゅうぎゅうに絞って
カンナの制服を拭いた
『ぁ……自分でやるよ私』
『いいから・・・』
『ぁ……りがと・・・
ふふ・・・ケイゴ、お兄ちゃんみたい』
『・・・るさいな』
面倒見の良いカンナは
逆に誰かの世話になることって
本当にないんだろうな
上の兄弟のいないカンナはさりげなく
そんな新鮮な気持ちを伝えてくれる
実生活で……兄貴だけどさ
実の弟に兄貴らしいことなんて
何ひとつしてやったことのないオレは
なんか……恥ずかしかった
そのまま送って行こう
そう思ってたけど
オレは…ほんの少し、進路変更する
『ぇ・・・ケイゴ』
『ウチなら、まだ誰もいない
親も仕事だし、弟も部活で遅いから』
手ではらっても
カンナにまとわりついた白い汚れは
制服まで汚して中々に目立つ
このまま家族のいる家に帰るのは
カンナがかわいそうだ
それもあったんだけど
あとは・・・
カンナの手が
いつもより
オレの手をギュッと握る
カンナの手が
どこか・・・小刻みに
震えていたから
『誰にもジャマされないとこに行こう』
少し目を潤ませたカンナが
だまってうなずいた
どこでもいいから
二人きりになりたかった
ガチャ・・・
『ぉ・・・おじゃまします』
『あぁ・・・』
オレはカバンを放り投げて
カンナをさっさと洗面所に連れていく
『ん・・・』
タオルを適当にバサバサと取り出して
カンナに一枚渡した
『ぇ・・・?』
『顔・・・洗えば?
そのまま家に帰るのイヤだろ?』
『あ……ありがとう』
『~~・・・』
バシャバシャバシャ……
そう言ってオレは先に顔を洗って
カンナに無茶苦茶にキスして
自分の顔にもくっついてた粉を落とした
バシャバシャ……バシャ
『んふ・・・きもちぃ』
控えめに顔を洗って
カンナはやっと少し笑顔を見せた
『ほら・・・制服も』
オレは残りのタオルを水で濡らして
ぎゅうぎゅうに絞って
カンナの制服を拭いた
『ぁ……自分でやるよ私』
『いいから・・・』
『ぁ……りがと・・・
ふふ・・・ケイゴ、お兄ちゃんみたい』
『・・・るさいな』
面倒見の良いカンナは
逆に誰かの世話になることって
本当にないんだろうな
上の兄弟のいないカンナはさりげなく
そんな新鮮な気持ちを伝えてくれる
実生活で……兄貴だけどさ
実の弟に兄貴らしいことなんて
何ひとつしてやったことのないオレは
なんか……恥ずかしかった