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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第10章 新たな未来へ・・・

『・・・カンナ、ほら』



オレはカンナに背をむけて促す





『グスッ・・・~うん』



カンナは黙って再びオレの背中にのる






『もう少し・・・付き合えよ?』




『・・・ぇ?』





意外なオレの言葉に

カンナは…うなずいた





『・・・1…2…3…』




オレは少し足早に

カンナのマネをするように

ひまわりを数えては歩き出した





『ケイゴ・・・?』






『・・・106・・・107

・・・・・・108・・・』





ピタリ






『けぇご・・・?』




足を止めたオレに

カンナが首を傾げる






トン…




オレはカンナをゆっくり下ろして

向き合う







『・・・∥108本∥。

束にしてなくて・・・悪いけどさ(笑)』








『・・・???』









『∥結婚しよう∥・・・カンナ』







照れたカンナが

オレに聞こえないように呟いた

108本の

ひまわりの・・・花言葉









『けぇご・・・っ・・・』







『カンナが…もっと元気になって

オレもカンナも…仕事とかしてさ

もうちょっと…先の話かもしれないけど』







『っ… ……っけぇ…ご』








『結婚しよう・・・カンナ』







勢い余って

イタズラに言った言葉なんかじゃない。







去年より一昨年より

確かに・・・色んな事が変わってしまった




オレも…そして誰よりカンナは・・・



思い通りにならないどころか

苦しい思いに繰り返す困難。



痛い・・・苦しい・・・こわい


寂しい・・・




そんな思いを数えきれないほどして




カンナは・・・取り戻せないもの


失ったものも…たくさんあったはず。




そうして色んな事が変わってしまった







だけど・・・オレ




これからやってくる新しい未来を




カンナと生きたい。







明日も…明後日も



来年も…再来年も



遠い先の未来も





彼女と・・・カンナと



ずっと一緒に生きて行きたい






そう思ってやまなかったオレが




初めて聞いた花言葉で



カンナに告げた気持ちだったんだ。
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