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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第11章 命のきらめき
『みんな、∥卒業∥おめでとう・・・!』
迎えた卒業式の日
カンナは笑顔で
オレたち全員に拍手を送ってくれた。
やりきれない、悔しい気持ち
寂しい気持ちだって
絶対にあるはずなのに
カンナは
太陽みたいな
まぶしい笑顔を
惜しまずに向けていた
『おぅ♪ハヅキちゃん
ほんの少しだけお先に、だけどさ』
『片桐くん(笑)ふふふ
JK延長できるからラッキーだよ私』
泣いても仕方ない事で
誰も泣くヤツはいなかった
もちろん一緒に卒業したかったけど
理由あっての事だから
わざわざ悲観する必要もなければ
カンナ本人が
前向きに笑顔を見せてくれていた
色んな思いを抱えている事に
違いはないだろうけど
持ち前の明るさでジョークを飛ばしたり
誰も暗い気持ちになんかさせなかった。
『ハヅキさんの制服姿が
もう少し見れるなら、な、なにも
悪いことなんかじゃないよ!うん』
『どこのスケベだよてめぇ∥オタクミ∥!』
『ふんぎゃっ…!』
カズマに強烈なゲンコツくらいながらも
タクミもエールを送っていた
『ハヅキちゃんならさ
半年・・・くらいか?日数満たせば
卒業認定とれるんじゃないの?』
カズマがどことなく爽やかに
カンナに微笑む
『うん!…ここまで生き延びられた
それだけでありがたいから♪
もう、なんでも出来ちゃうよ♪』
カンナは笑顔で答えた
なんの表裏もない
その言葉だけに
カンナの頑張って来た日々と
その奇跡を感じる事の出来る
重くて深い言葉だった。
生きてれば・・・なんだって
どんなことだって乗り越えられる
なんだって
出来るんだよ。
そう思わせてくれた。
『よし・・・さすがハヅキちゃんだぜ
ハヅキちゃんが卒業迎える時に
もう一回みんなで集まって
卒業式やろうな!!』
カズマの声にみんなでうなづいて
並んで写真撮って
ゆっくり・・・校門をくぐった