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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第12章 花の命・・・
『カンナ…見えるか?』



例年より、うんと花の少ない

少し寂しいひまわり畑で



オレはひとり…彼女に話しかけていた




『今年は残念だったな・・・

カンナ…楽しみにしてたのになぁ?

来年・・・また来ような』






∥来年∥・・・そう呟いて




オレは


どんなに話しかけても答えてくれない




彼女が・・・もう、どこにも



∥この世∥のどこにもいない事を



その…寂しい景色の中で

たった一人で感じていた。




『・・・っ…』



ズシャっ…




フラフラと…力なく立っていた足が
限界を迎えて

オレは、ひまわり畑に隠れるように
地面に崩れ落ちて膝をついた





『そりゃ・・・ないよなぁ

カンナぁ・・・こんなのって

こんなのってないよなぁ・・・っ』




どこにもいない

返事もしてくれない



わかってるはずなのに

オレの口からは

彼女を呼ぶ言葉ばかりが

次から次へと…溢れていた






『おいてかないでくれよ…カンナ』




ひまわり畑の真ん中で倒れたまま
オレは動けなかった


∥お前は…起きれるだろ?∥


しっかりしろ、と
カズマにぶん殴られた時の痛みと
その言葉が頭によみがえる・・・けど





『起きれるかよ・・・』



もう、立てない



歩けないよオレ





アイツのいない世界を

オレ・・・一人で歩いていくなんて






『なんでおいていくんだよ・・・っ』



ジャリ…


土まみれになって突っ伏したまま
地面の土を掴んで
オレは堪えきれない声をあげた






『っ…ぅ……カンナぁぁぁっ・・・』




・・・





『ぅゎあぁぁぁぁっ・・・っ

・・・っ…ぅ……

カンナぁ……っ・・・!

ぁあぁぁぁ・・・っ・・・』






悪夢が現実だと知って

涙の止められなくなったオレを隠して

花の少ない寂しげなひまわり畑が



ひまわりの花だけが

オレの心に寄り添うように…共に

悲しそうに・・・泣いていた
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