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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第13章 遺された・・・意味
『ケイゴくん…いらっしゃい

どうぞ・・・入って?』




連絡を入れて訪ねたオレを

カンナのお母さんは

変わらない笑顔で…迎えてくれた




変わらない・・・



果たして、そうだろうか。




どちらかと言うと

必死に…精一杯

笑顔を作っているけれど



その・・・目の奥

心は、ずっと泣いている



オレは…ちょっと・・・すごく

申し訳ない気持ちになった



このお母さんこそが

彼女の・・・家族こそが



本当に∥時が止まったまま∥

なんだ、と。



そして






『おばさん・・・∥あの時∥は

本当に…本当に・・・

すみませんでした』





手招きされた玄関に足を踏み入れず

オレは、カンナのお母さんに

深く頭を下げて

葬儀の時の非礼を詫びた







『ケイゴくん…何を言うの?

顔をあげてちょうだい』




『・・・』





お母さんがオレの肩にそっと

手を添えて促してくれて



オレは顔をあげて

玄関をくぐった





『あの…お父さん・・・

おじさんは…いますか?』




『えぇ、いるわよ・・・ふふ

ケイゴくん?…なにも気にしなくて良いのよ』




そう言ってオレを通してくれるけど


オレは…そうは行かないと思って




あの時…ざわめく場を

言葉少なく静めて


あの場にオレを受け入れてくれた

カンナのお父さんに・・・



彼女の家族に

∥示し∥のつかない

けじめのない事をするのは

違うと、思って。

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