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第13章 遺された・・・意味

カンナの部屋


生前は…何度も来た彼女の部屋





『・・・？』



ふと机の隅に置かれている

少し分厚い手帳のような

ノートが目にとまる




見て・・・良いものかな？




ﾊﾟﾗ・・・


ためらいながらも

手が動いていた





『・・・』




中身は…カンナの日記





正確に言えば


それは


カンナの闘病記録だった。





～～～～～～～～～～～～～～～～～





◯月◯日


二度目の□□治療が始まる。

一度目が本当に辛かったから
点滴を見て思わず『いやだ』って思う

だけど、これは私の体の中で闘ってくれる
勇敢な薬だから

私は、この子と仲良くなって
頑張ろう





『・・・』

∥カンナ・・・∥



ﾊﾟﾗ

ﾊﾟﾗ…



◯月△日

髪の毛が抜けた。次々に抜けた。
わかってても、泣いちゃった。

気持ちのせい？薬のせい？
でも負けない！

吐き気が止まらない
気持ち悪くて
ごはんも食べられないけど

辛さ、痛みを知った私は
きっと昨日より、今日より

強くなれる！！





ﾊﾟﾗ…ﾊﾟﾗ・・・




ポタ・・・っ



『・・・っ』



日記をめくるオレの目から

いつの間にか涙が落ちていて

オレは慌てて目をこすった




生前の…カンナの声


心の声



そして




◯月□日


痛いよ。苦しい。

こわい。

私・・・死んじゃうのかな







『・・・』



きっと、誰にも

弱音を吐かなかった彼女の

誰も知らない…心の声





病と闘い続けたカンナの

本当の声だ