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第13章 遺された・・・意味

『ただいま～…』



『おかえり・・・』




『ぁら、ケイゴ…今日は早いのね』




仕事を終えて
急ぎ足で帰ってくるのは母さん


重そうに買い物袋を両手に下げて
バタバタとキッチンに向かい


買ってきた食材をテーブルに並べて
慣れた手付きでさくさくと
冷蔵庫に片付けている



『ごはんすぐ作るからね～』



そんな母親の…言ったら
∥いつも∥の姿を…ボケーっと見ながら



朝から仕事して…帰ってきても

一息つく間もなく…毎日

こうしてるんだな・・・




なんて

今まで気にも止めなかった事を

心で呟いていた





『・・・母さん』



『うん？…～』



そんな…急がなくても、いいよ

と言いかけて


オレはテーブルにある惣菜に

目がとまる



スーパーとかで売ってる惣菜


今まで、あまり…ほとんど

うちじゃ見かけなかったと思う




『・・・』



たまたまオレが先に帰っただけで

偶然かもしれない



けど


母親の帰って来た時間と

見慣れない惣菜・・・




母さん時間が、ないんだな



そう思わせるような一幕。